
一般的な作り方は知っていても、「あと一歩、名人級に届かない…」と感じたことはありませんか?私はあります。梅を漬け始めてもう20年になりますが、熊代さんの梅干しのようなきれいな色、香り、柔らかい果肉にはかないません。もう少し色がきれいだったら、もう少し果肉が柔らかかったら、と毎年思います。
先日100年続く有機梅農家・熊代さんから「本当においしい梅干し」を漬けるための秘訣を、こっそり教えていただきました。これらのコツを押さえれば、「自分史上最高の梅干し」を実現できるはず! 長年漬けてきたからこそ味わえる、究極の梅干し作りに挑戦しましょう。
*この記事は、梅干しを長年漬けてもっとおいしい梅干しを漬けたいと思う方に向けて、基本の梅干しとは異なる手順をご提案しています。基本の漬け方を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
このページの目次
1、味よく仕上げるために水につけない
本当に梅は水につけないほうがいいのですか。
梅干しのつくり方には「あく抜きのために水につける」と書いてあることが多いですが、水に浸けるのはやめてください。梅が痛むだけでいいことはありません。
南高梅はあくがなく、皮が薄くて実がぶ厚いため水に浸ける必要はありません。梅を水につける理由はあくを抜くことと、梅干しの実離れをよくするためです。熊代農園の梅は有機栽培。あくはほぼなく、あく抜きの必要がありません。また皮が薄く実がぶ厚いためできた梅干しも種に実が残りません。


ほこりを落とすために軽く洗って、しっかり水分をふき取りましょう。
2、柔らかく漬けるために重石が重要
重石はいりますか
重石をした方が梅酢が早く上がります。梅酢に漬かっていない部分がかびやすいので、重石をした方がいいです。また重石をすると果肉が柔らかく仕上がります。この2つの理由から重石をした方がおいしい梅干しができます。
重石の目安はどれくらい
重石は梅の重量の2倍から同じ重さが目安です。大粒の梅は多めの重石で、小粒の場合はやや少なめしにしてください。梅が梅酢から出ないように気を付けながら、梅全体に重石を掛けます。専用の重石があれば均等に重さがかかるので便利ですが、ない場合は。2リットルのペットボトルなど自宅にあるもので代用しましょう。1日で梅酢が上がるくらいが重さの目安です。


重石はいつ外しますか
2週間ほどしたら重石を外す。梅は梅酢の中に沈んだままにしておく。梅が顔を出していると、カビの原因になりやすいので梅酢の中にしっかり沈めましょう。

3、容器の大きさは仕上がりに関係しますか。
大きな容器に入れて漬けると梅がつぶれないか心配です。
少量づつ小さな容器で漬ける方がおいしくできますか、大きな容器で漬けても大丈夫ですか。
大きな容器で漬けても大丈夫です。思っている以上に梅は強いです。梅の重さではつぶれません。漬けやすい容器で漬けましょう。

4、梅を干す理由は?干さなくてもいいの。
梅は干さなくてもいいですか
梅は絶対に干したほうがいいです。殺菌作用で保存性を高める効果のほか、おいしく色よい梅干しに仕上げるために欠かせない工程です。
- 天日干しをすると余分な水分が飛んで殺菌されます。
- 梅の皮や果肉が柔らかくなります。
- 果肉は水分がとんで凝縮されてねっとりした食感になります。
- 色が鮮やかになり味がまろやかになります。
1日干した梅(右)と干す前の梅(左)の様子を比較しました。。色、香り、果肉の柔らかさが干すことでおいしく変わってきます。
梅は干し過ぎない
梅酢が上がって1か月ほど経ったら梅を干します。土用干しと言われるように、真夏の強い太陽の光にあてるとよいと言われますが、強すぎる日差しはお勧めしません。しっとりするくらいで充分です。特に小梅は干し過ぎに注意。
この程度しっとりするくらいに干しましょう。

干し過ぎてしまったら
干し過ぎてからからになった場合は焼酎を吹きかけて密封容器に入れておくと、少しやわらかくなります。しかし、本来のふっくらした梅には戻らないので干し過ぎには注意しましょう。
土用が過ぎたらどうしたらいいか
梅を干すのは土用に限りません。秋でも冬でもお日様にあてれば大丈夫。3日間晴天が続かなくても構いません。雨に濡れない場所で干しましょう。秋や冬は太陽の光が弱いので、3日にこだわらず梅の様子を見て干しましょう。
梅を干すのに最適な場所はどこですか
風通しが良く直射日光が当たる場所がおすすめです。日差しが強い場合は半日ほど太陽にあてたあとで日陰に移しましょう。
5、色と香りはしそを入れる時期と引き上げる時期で決まる
もみしそはたっぷり入れる
梅をしっかり干してしそを入れます。しそはたっぷり入れたほうが色もきれいで香りもいい梅干しができます。干した梅の2割が基準のもみしその量。これより少ないとおいしい梅干しはできません。
- 梅10kgを干すと6kg前後になります。もみしそはその2割、つまり1.2kg程度が目安。
- 梅 10kg しそ1.2kg以上
- 梅5kg しそ 600g以上
梅としそを層にする
梅がまんべんなくしそに漬かるように、梅としそを交互に3層くらいの層にする。取り出したときにしそが残ると色も味も悪くなるので、しそを取り出しやすいように目の粗いガーゼや網の上に乗せる。

しそは2~3か月で取り出す
長く入れておくとしその色が飛んで色がしその中に戻ってしまいます。2~3か月で取り出しましょう。3か月以上入れるとおいしい梅干しにはなりません。
しそは全部取り出す
梅に入れたしそは時間が経つと色が落ち香りも悪くなります。全部取り出して自家製ゆかりなどでいただきましょう。
6、梅干しは何年保存できますか
1年から2年で食べきろう
塩分濃度(18%以上)と衛生状態に気を付ければ10年以上保存できます。直射日光が当たらず、気温の変化が少ない場所で保管してください。時間の経過とともに色や香りが変わってきます。色鮮やかでフレッシュな梅干しを食べたい場合は1年から2年で食べきりましょう。
時間が経つにつれ梅の味も香りも変わってきます。。
長期保存しているとゼリー状の物質が出てくることがあります。「やにが吹く」と言われる状態で、梅に含まれるペクチンが染み出て水分が飛んで濃いペクチンになり、結晶化したものです。ペクチンは自然に含まれる物質でジャムが固まる成分でもあります。害はなく食べることもできます。また結晶化した塩が出てくることもあります。時間が経つにつれ梅の味も香りも変わってきます。時間が経った梅はフレッシュな色や香りがなくなりますがとてもおいしいです。
梅酢に入れて保存するのか、梅酢を別にして保存したほうがいいのか
1年くらいなら梅酢に漬けて保存、それ以上保存するときは白干しして保管しましょう。
7、色鮮やか・香り良い梅干しは「食べる分だけ干してしそを入れる」
色鮮やかで香りがいい梅干しを食べたい方は食べきる分だけ干してしそを入れましょう。しその色と香りは時間とともに褪せます。食べる分だけしそに漬ければ鮮やかで香りがいい梅を食べられます。
食べきる分だけしそを入れる
梅酢に漬かった梅を食べる分だけとりわけて干します。3日くらいお日様にあてて干し、しそを入れます。香りや味が薄くなるので梅酢は入れません。しそは2か月ほど梅に入れて色と香りを梅に移します。その後しそを取り出し梅だけにして保管します。しそは2ヶ月で引き揚げます。それ以上入れておくとしその色が飛んで、梅が汚くなり、香りもなくなります。食べる分だけ干してしそにつける。これが色よくおいしい梅干しを作る最大のコツです。

8、まとめ 自分で作った梅干しはおいしい
この記事でご紹介した「食べる分だけ干してしそに漬ける」方法は、色鮮やかで香りがいい梅干しを作る方法です。しその香りがなくてもくすんだ色になっても、自分で作った梅干しは絶対においしいです。この漬け方にこだわらず、梅干し作りを楽しんで「わが家の梅干し」を漬けてくださいね。
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最後に この記事を書いたひと
有機野菜のぶどうの木 高橋和子
梅を漬けて20年以上。カビが生えたこともありますが、自分で梅を漬けるのが大好きです。孫たちが「ばーばの梅干し大好き」と言ってくれるのを励みに、毎年熊代さんの梅を漬けています。もっとおいしい梅干しができないかと毎年思案中。梅干しのおいしさや梅干しを漬ける楽しさを伝えたくて梅干しに関する情報を発信しています。
自己紹介はこちらです。