
有機小分け業者の監査を受けました。昨日弊社が小分け業者の認証を受けている「愛農会」さんにより1年に1回の監査がありました。2023年度は認証機関である「愛農会」さんの監査が正しく行われているかの確認のためFAMICも立ち会う監査になりました。
(この記事はFAMIC様により氏名・顔写真以外を公開することの許可を得て掲載しています。)
このページの目次
有機小分けの監査ってなに?今年は特別ゲストも!
東研では、年に一度「有機小分け」の監査を受けています。これは、有機JASマークのついた農産物を、ルール通りに仕分けし、記録があることをチェックしてもらう大事な時間です。毎年受けているので慣れてきたとはいえ、毎年ドキドキしながら監査を迎えます。
そして、今年の監査はいつもの認証機関「愛農会」さんによるチェックに加えて、FAMIC(農林水産消費安全技術センター)からも2名の担当者が立ち会いました。FAMICは、認証機関自体がきちんと仕事をしているかどうかを確認するために、立入検査を行う公的機関。つまり、認証機関の認証作業が適切に行われていることをチェックする目的で来訪されたのです。
有機野菜の信頼性はこんな風に成り立っていることを知っていただきたくて今年の監査の様子をお伝えさせていただきます。
FAMICの詳細は下記をご覧ください。
FAMIC(独立行政法人 農林水産消費安全技術センター)は、科学的手法による検査・分析により、食の安全と消費者の信頼の確保に技術で貢献することを使命とします。
これはFAMICの業務の中の「登録認証機関等に対する立入検査等」
登録認証機関及び登録外国認証機関の業務が適正に行われているかを確認するため、FAMICは立入検査等を実施しています。
に基づいています。
今回この線で囲んだ部分の立ち合い調査が行われました。
FAMICのホームページから引用
FAMIC立ち会いの真剣な監査風景
内部規程・各種記録台帳の照合
内部規定の確認、格付け指示書、仕入れ伝票、出荷伝票などを確認します。
愛農会さんの監査内容をFAMICさんがメモを取りながら確認します。
PCで保存された出荷内容を愛農会さんが写真を撮りながら確認。その様子をFAMICさんも確認します。
施設の検査
次に格付けを行う施設に移動し、実際の格付け業務を確認します。
まとめ -監査を受けて思うこと-
私たち東研が大切にしているのは、「どなたでも安心して召し上がれる有機野菜をお届けすること」です。ただ「有機だからすごいんです!」と伝えたいのではなく、生産者の皆さんが時間と手間をかけて育てた大切な野菜を、私たちがしっかりと受け取り、誠実にお客様へ届けること。そこに私たちの役割と責任があると感じています。
そのため、保管・仕分け・表示に至るまで、一つひとつの工程に心を込め、ルールに沿って丁寧に対応しています。
「ぶどうの木で買えば安心」「ここの野菜は信頼できる」と思っていただけるように、そして、有機JASマークの裏にある確かな仕組みや努力を少しでも知っていただけたら嬉しいです。
今回の年次監査の様子を通して、「JASマークって、やっぱり信頼のあかしなんだね」と感じていただけましたら幸いです。これからも安心してお召し上がりいただけるよう日々努めてまいります。
過去にも監査を受けています
過去の監査の様子はこちらから。
具体的な監査の内容
調査内容は毎年ほぼ同じです。(*)2018年に行われた監査から内容を引用します。
*法律が変わったり内部規定が変わったりする場合は変更があります。
調査内容は大きく分けて二つ。施設の検査と内部規程・各種記録台帳の照合 です。
1、施設の検査
保管状態、施設の清掃状態等を調べます。有機野菜と「有機ではない野菜」が混ざらないように保管されているか、保管場所はきれいに清掃されているか、JAS法で禁じられている殺虫剤や殺鼠剤などが使われていないかを調べます。
ぶどうの木では「有機でない野菜」は扱っていませんのでここは簡単にクリア。「有機」と「非有機」が混ざるのは果物のレモンとりんごだけ。レモンの在庫がありましたので、保管状況を確認していただきました。「有機レモン」と「特別栽培レモン」は混ざらないように保管されていることを確認していただき、合格。
お掃除もOKをいただきました。虫の混入予防には「ハエとり紙」を使用。ネズミ除けには超音波を使用していることを確認していただき、施設の検査は終了。
2、内部規程・各種記録台帳の照合
下の4項目について調査を受けます。
- 有機農産物の受入、小分け、計量、包装、格付・品質表示、出荷販売の手順の聞き取り
- 内部規程、格付表示規程、各種マニュアルの見直しの結果
- 規程に基づいた小分け・格付表示が誤りなく実施されたか
- 不合格品の処理および格付表示の管理に関する記録
入荷してきた有機農産物が矛盾なく出荷(販売)されているかどうかの確認です。例えば100㎏入荷した人参がどのように小分け(3㎏、5㎏、8㎏、10㎏、12㎏、14㎏)され、いつどれだけ出ていったかを確認するのです。
- 入荷の記録
- 小分け指示の記録
- 実際の小分けの記録(入荷した量を超えて小分けされていたらおかしい)
- JASマークの枚数管理(小分けした日に使われたJASシールの枚数を調べます)
- 出荷販売の確認(小分けした有機野菜がいつ出ていったかを確認
- 処分した農産物の確認(傷んだ有機野菜の量がどれだかあったかも確認します)
- 一年間全部の商品を確認するのは大変なので、いくつかの事例をピックアップして確認します。
以上 有機小分け業者の監査を受けました。(2018年) から引用
引用ここまで
この記事を書いたひと
有機野菜のぶどうの木 高橋和子
三重大学農学部で農芸化学を専攻し。農薬化学や土壌肥料学を学ぶ。のちに農薬や化学肥料を使わない農業に取り組む人たちに出会い、農薬や化学肥料を使わない有機農業に心惹かれ、それ以来、有機農業に情熱を注いでいます。
有機農業の魅力を伝える一方で、農薬や化学肥料の利点についても理解を深めながら、情報発信を通じて皆さんに役立つ情報をお届けしたいと考えています。
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