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有機小分け業者の監査を受けました。

有機農業と有機野菜

2017年にも監査を受けています。昨年度の様子はこちらから

有機小分け業の監査

検査内容

調査内容は大きく分けて二つ。施設の検査と内部規程・各種記録台帳の照合 です。

施設の検査

保管状態、施設の清掃状態等を調べます。有機野菜と「有機ではない野菜」が混ざらないように保管されているか、保管場所はきれいに清掃されているか、JAS法で禁じられている殺虫剤や殺鼠剤などが使われていないかを調べます。

ぶどうの木では「有機でない野菜」は扱っていませんのでここは簡単にクリア。「有機」と「非有機」が混ざるのは果物のレモンとりんごだけ。レモンの在庫がありましたので、保管状況を確認していただきました。「有機レモン」と「特別栽培レモン」は混ざらないように保管されていることを確認していただき、合格。

お掃除もOKをいただきました。虫の混入予防には「ハエとり紙」を使用。ネズミ除けには超音波を使用していることを確認していただき、施設の検査は終了。

内部規程・各種記録台帳の照合

有機小分け業の監査下の4項目について調査を受けます。

  • 有機農産物の受入、小分け、計量、包装、格付・品質表示、出荷販売の手順の聞き取り
  • 内部規程、格付表示規程、各種マニュアルの見直しの結果
  • 規程に基づいた小分け・格付表示が誤りなく実施されたか
  • 不合格品の処理および格付表示の管理に関する記録

入荷してきた有機農産物が矛盾なく出荷(販売)されているかどうかの確認です。例えば100㎏入荷した人参がどのように小分け(3㎏、5㎏、8㎏、10㎏、12㎏、14㎏)され、いつどれだけ出ていったかを確認するのです。

  • 入荷の記録
  • 小分け指示の記録
  • 実際の小分けの記録(入荷した量を超えて小分けされていたらおかしい)
  • JASマークの枚数管理(小分けした日に使われたJASシールの枚数を調べます)
  • 出荷販売の確認(小分けした有機野菜がいつ出ていったかを確認)
  • 処分した農産物の確認(傷んだ有機野菜の量がどれだかあったかも確認します)

一年間全部の商品を確認するのは大変なので、いくつかの事例をピックアップして確認します。

有機小分け業の監査

「そうですね、では29年8月9日に入荷した玉ねぎ13個について教えてください。」と監査の方から指示があります。この入荷と出荷の記録を調べ、矛盾がないことを確認していただきます。

有機小分けの監査 2018年度-3

生産者さんからの納品書を提出。これが入荷の記録になります。

有機小分けの監査 2018年度-4

出荷の記録を見ると8月9日に13個出荷されたことになっています。ぶどうの木の売り上げ記録を確認すると、8月9日に玉ねぎ13個が出荷されています。矛盾はありません。

このように何件もの有機野菜の入荷や出荷について、矛盾なく小分けして出荷されているかを確認します。確認した結果は、プリントアウトしたり、デジカメで撮影したりして弊社の小分けの業務を記録し、持ち帰って監査が行われます。
有機小分けの監査 2018年度-6

小分け記録の一部です。私たちは毎日記録を取り、責任と自信をもってJASマークを張り、有機野菜として出荷しています。

有機監査を終わって思うこと -まとめ-

有機野菜は単に農薬を使わずに育った野菜だけではありません。畑から食卓までのぜんぶが有機です。種をまく前の、土のチェックから始まって、育つ途中はもちろん、仕分けるのも、保管するのも、全部有機です。

有機野菜は信頼性が高い代わりに厳しい条件を満たす必要があります。現在有機農産物の作付け面積は全体のわずか0.2%です。(※)生産者さんたちは、農薬を使わずに作物を育てるだけでなく、記録をつけ監査を受けています。「有機認証」は信頼の証です。

ぶどうの木は、食べてくださる方に「有機野菜を有機のまま」お届けするため、有機小分け業の資格を取りました。ぶどうの木の有機野菜は本物の「有機野菜」です。畑から食卓まで安全をつなぎたくて、小分け認証を取得しました。時間も手間もかかりますが、農家さんが一生懸命作った野菜を安心して食べていただきたい。

年に1回の監査を受け、時には農林水産省の抜き打ち監査も受け、安心と信頼を守っています。みなさま どうぞご安心してお召し上がりください。

※ このデータは 農林水産省 生産局農業環境対策課 「有機農業をめぐる事情」(平成30年3月)より引用しました。

有機食品の小分け業者の認定とは - このように定義されています-

有機農産物をみなさまにお届けする途中で、小分け(箱詰めのものを小袋詰めにすることなど)により包装形態が変化します。この場合には、元の包装、送り状などに付されていた有機JASマークが小分けにより失われます。そのため小分け後の農産物を有機農産物として流通させるために、有機JASマークを付け直します。

このため、改正JAS法においては、有機農産物の小分け作業について適切な管理体制を整備している事業者を登録認定機関が認定し、この認定を受けた小分け業者のみが小分け後の農林物資への有機JASマークの再貼付を行い、「有機」表示をすることができる仕組みとしています。

ポストハーベスト処理、慣行栽培農産物との混合などがあった場合の措置

有機JASマークの貼付された有機農産物について、倉庫くん蒸の実施、慣行栽培農産物との混合など、JAS規格への適合性が失われる事態が生じた場合には、当該有機農産物の所有者である生産者、販売業者などはその有機JASマークを除去又は抹消しなければならないこととしています。従ってこのような場合には、これらの農産物に「有機」表示をすることができなくなります。

有機食品の検査認証制度について (平成27年1月)農林水産省消費・安全局より

以上 有機監査についてお話ししました。