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有機りんごの小分け~生産者さんからみなさまに届くまで~

有機農業と有機野菜

近年、有機野菜や果物がスーパーなどでも手軽に手に入るようになり、私たちの生活の中で「有機」が身近な存在となってきました。栽培方法については広く知られるようになってきましたが、「小分け・格付け」といった流通工程については、あまり知られていないのが現状です。
この記事では「有機りんごを、お買い上げくださった方に有機のままでお届けする」ために行っている「小分け・格付け」の手順性について説明します。

1.この記事を書こうと思ったわけ

最近、有機農産物がスーパーやネットショップなどでも手に入るようになり、「有機」という言葉がぐっと身近になってきました。栽培方法についてご存じの方も多くなってきて、「3年以上農薬や化学肥料を使わずに育てている」ことは、すっかり一般的な認識になってきたように思います。

でも、「その有機の野菜や果物が、どうやってお店に並んでいるのか?」という流れについては、まだまだ知られていないことも多いのです。

実際、有機認証を取得するためには、日々の作業を丁寧に記録し、第三者機関のチェックを受ける必要があります。生産者の方々は、膨大な時間と手間をかけて、その信頼を証明しています。

私たちは、そのような努力によって育まれた有機農産物を「有機のまま」みな様にお届けするために、小分けや格付けの工程にも細心の注意を払っています。この記事では、そんな裏側の工程をご紹介し、皆さまにより深くご理解いただけますとうれしいです。

【ご注意下さい】※本記事では専門用語を避け、一般の方にも分かりやすい表現を用いています。正確な情報をお求めの方は、農林水産省の公式サイトをご確認ください。

農林水産省 有機食品の検査認証制度  こちらからご確認いただけます

2、有機りんごの小分けと格付けの工程

(1)入荷記録の作成

農家から届いたりんごは、まず入荷記録をつけるところから始まります。「どの農園から・いつ・何キロ届いたか」を記録することで、トレーサビリティの確保や品質管理に役立てます。また、有機JAS認証に基づいた流通を証明するためにも、この記録は重要です。

有機JASマークを確認

(2)規格に応じた仕分け指示

入荷後のりんごは、品種や大きさに応じて「4kg箱」「2kg箱」「2個入り」など、用途に応じた小分けの指示を行います。この段階で「どのロットをどの規格に使うか」を適切に判断することで、スムーズな出荷と在庫管理につながります。仕分け内容は記録として残し、追跡可能な形で管理しています。

作業指示と格付けの記録をします。

(3)品質確認とフルーツキャップ装着(2kg箱、2個入り)

仕分けの指示が出たら、今度は一つひとつのりんごを手に取って、キズや打ち身がないかを丁寧にチェックします。問題がなければ、仕切りがない状態でお届けする2kgと2個入りの規格のりんごに、移動中にぶつかって傷つかないように、やわらかいフルーツキャップをひとつずつかぶせていきます。

大切に作っていただいたりんごをいい状態でお手元にお届けしたい。見えない部分ではありますが、良好な状態でお届けするための大切な工程です。

フルーツキャップをかぶせます。

(4)箱詰め・袋詰めと重量の確認

品質確認後は、規格に応じてりんごを箱や袋に詰めていきます。はかりを使用し、規定の重量をきちんと満たしているかを確認します。内容量の公平性を保ちつつ、有機認証された農産物としてふさわしい形でパッキングを行います。

重量を確認します。

(5)有機JASマークの貼付

検品と重さのチェックをクリアしたりんごには、「有機JASマーク」を貼り付けます。このマークは、有機JAS認証を受けた農産物である証。お客様が安心して手に取っていただけるよう、1個ずつ丁寧に貼り付けています。

有機JASマークを貼ります

(6)最終確認と出荷準備

最後の工程では、全ての内容が指示通りに格付け・小分けされているかを責任者が確認します。数量や内容に問題がないことを確認した上で、ようやく出荷準備が整い、サイトの買い物かごを開けます。

出来上がりの数量を確認。

3.おわりに

有機りんごの小分け・格付け作業は、見た目以上に多くの工程と配慮が求められる作業です。ただ商品を分けて梱包するだけではなく、ご利用いただきやすい規格に小分けしてみなさまにご提案する、私たちの想いが込められています。

これからも、ただ売るのではなく、皆様がご利用しやすい規格で安心してご注文いただけるよう、お客様と気持ちの通じ合うお付き合いを続けていきたいと考えています。

ぶどうの木の有機りんごはこんな風に小分け格付けして出荷しています。どうぞご安心しておめしあがりください。

この記事を書いたひと

有機野菜のぶどうの木 高橋和子

三重大学農学部で農芸化学を専攻、農薬化学や土壌肥料学を学ぶ。のちに農薬や化学肥料を使わない農業に取り組む人たちに出会い、農薬や化学肥料を使わない有機農業に心惹かれ、それ以来、有機農業に情熱を注いでいます。

有機農業の魅力を伝える一方で、農薬や化学肥料の利点についても理解を深めながら、情報発信を通じて皆さんに役立つ情報をお届けしたいと考えています。

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