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【有機栽培 キゥイ】 受粉編。

生産者さんを訪ねて

キウイの受粉作業

先日キゥイの花が満開です、と産地の方からお誘いをいただきキゥイの産地 神奈川まで行ってきました。さて、キゥイ畑の中には何やらあやしい人影が・・・

中腰で木を見上げながらみなさん作業中。その手の中にあるのはキゥイの花粉です。

キウイは、雌花と雄花を別の株につける植物。専門用語で 「雌雄異株(しゅういしゅ)」 と呼ばれます。雄花の花粉が雌花の柱頭につくことを「受粉」といい、「受粉」が行われなければキウイは実をつけることができません。とっても重要な作業です。

人工授粉で大きくて甘い実をつくる

自然の状態では昆虫によって雄花の花粉が雌花のめしべに運ばれて受精します。でも全ての雌花に均等に花粉がつくことは難しいですよね。またついた花粉の量が少ないと、種の数が少なくなり、小さな果実になることもあるそうです。

具体的には、キウイ1個の中にタネは1000個ぐらいは必要で、少ない場合は落果したり、落果しないものは丸形の形が悪い果実になってしまうんだとか。

つまり、キウイは受粉したときにできる種の数が多いほど、大きくて甘い実ができるので、人工授精することが望ましいのです。

花粉の採取から受粉までの作業内容

大きくて甘いキゥイを育てるための受粉作業。こんなに手間がかかる作業を笑顔でこなすのはみなさんの笑顔が見たいから。

  1. 花粉が詰まっている雄花の葯(しゃく)の部分を採取するため、開花直前か開花当日の早朝に雄花を採取します。
  2. 葯をハサミで切りとり、採取した葯を振るいにかけて花びらや不純物を取り除き、薄く広げて常温で一晩おき、花粉が放出されるのを待ちます。
  3. 葯をメッシュの小さなふるいにかけて、花粉を採取します。
  4. 採取された花粉を受粉器で雄花の柱頭に受粉します。

下の写真右側の黄色い容器(直径40cm高さ40cmほど)に雄花を満杯にしてやっと花粉が20g採取できるそうです。ちなみに市販価格は、1,000円/g。人工授粉の受粉用花粉は上記のように手作りしています。

キゥイの雄花。黄色いのが花粉です。花粉採取用にはこんなに開く前に採取します。

  • 割合=花粉1:炭1:増量剤8

炭の役割は、受粉処理したかどうか見分けるため。以前は赤色の着色料を使用していたが有機は使用禁止になったため炭に替えたそうです。

手間がかかる大変な作業だと思いますが、みなさんに喜んでいただくためみなさん笑顔でした。この笑顔がおいしいキゥイを作るんですね。

受粉作業後の雌花。真ん中が黒くなってるのが受粉作業終了のしるしです。ひとつひとつの果実が手作業で受粉されあなたのもとへ届きます。