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梅干は健康食品
梅干しはおいしいだけでなく、おなかの調子も整えます。子供のころ、腹痛やお通じの調子が悪い時は「梅干しを口の中に入れときなさい!」と言われました。梅干しを食べきった後も口の中でタネを転がしていると、少し残る梅の香りや酸味で絶えず唾液が出ます。唾液の分泌が胃腸の不具合を治してくれます。
消化吸収を助ける
梅干の特徴はなんといっても強い酸味。この酸味はレモンなどの柑橘類に多く含まれるクエン酸に由来します。この酸味が唾液の分泌を促して消化吸収をよくすると言われます。
血糖値の上昇を抑える
梅干を食べるとインスリンの働きが高まり、血糖値の上昇を抑えます。このため糖尿病の予防効果も期待できます。
便秘の解消を助ける
梅干しには胃腸の働きを活発にする効果とともに殺菌作用もあります。また梅干に含まれる有機酸が腸内の悪玉菌を抑えます。梅干しは便秘にも下痢にも効果的な食べ物です。
肝機能を高める
梅干しに含まれるピルビン酸は肝機能の強化に有効と言われています。酔いを防止する効果も期待できます。
脱水症状を防ぐ
療養時にはおかゆと梅干しが出されることもありますよね。これは脱水症状を防ぐ意味合いもあるのです。疲労回復に梅干はまさにうってつけの食品です。
熱中症を予防する
熱中症とは、熱い中で汗をかき、知らない間に脱水症状になることで、体内環境が乱れて体温調節機能や自律神経に異常をきたし、身体の熱を放射できなくなったり血流や筋肉、そして神経などに影響を及ぼして、めまい・痙攣・頭痛・吐き気・発熱などを引き起こしてしまい、最悪の場合命の危険に陥ってしまう病気です。
この熱中症は、汗をかいたときに失われる水分と、塩分(ナトリウム)などのミネラルが不足することが原因でおこります。熱中症予防に有効なのが、ポカリスエットなどの商品名で販売されている経口補水液ですが、これに含まれる食塩・クエン酸ナトリウム・塩化カリウムは、実は梅干しにも含まれています。
夏バテの防止にも
梅干しに多く含まれるクエン酸は疲労回復にも効果が高いので、熱中症対策だけでなく夏バテの防止にも効果が期待できます。
エチケットにも梅干?
梅干が口臭予防に一役買っているってご存知ですか? 臭は本人は意外と気がつかないもの。けれど周囲の人はとっても迷惑する症状。口臭の原因は細菌が腸内で発酵することによる臭いです。梅には殺菌作用があり、口内や腸内をきれいにしてくれます。日頃梅干を食べていると口臭予防にもよいようです。
ダイエット効果も
梅干しに含まれるバリニンには脂肪燃焼効果があると言われています。また、梅干しに多く含まれるクエン酸には代謝を高めるデトックス効果もあると言われています。梅干しダイエットが話題になるものわかります。
歴史に見る梅干
梅の原産地は中国です。もともと梅干は梅酢を作った後の副産物で、それを黒焼きにして腹痛の治癒や虫下し対策、解熱・腸内の消毒の効用を目的に使用していました。食用よりもむしろ漢方薬として用いていたようですね。
平安時代には村上天皇が梅干しと昆布茶で病を治したという言い伝えも残っています。
戦国時代には、傷の消毒や戦場での食中毒や伝染病の予防になくてはならないものでした。さらに合戦中の休息に梅干しを見ることで唾液分泌を促進させ、息切れつまり脱水症状を防ぐ目的にも使われたそうです。
現代でも、頭痛や歯痛にも使うことがあります。頭痛や軽いめまいの時には、こめかみに梅肉を貼りつけたり、歯痛の時は黒焼きしたものを直接痛い部分に付けると鎮痛の効果があると言われています。
食べすぎに注意
万能選手の梅干ですが、食べすぎは禁物。塩分の摂りすぎになります。一日最高でも2個を限度としてください。むくみの原因につながってしまいますのでご注意を!
梅干しの選び方
そんな、体にうれしい梅干し。ふっくらとしてみずみずしく見えるものが、果肉が軟らかくてジューシーです。また、できれば有機栽培の梅を使っているものを選ぶと安心です。