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使用可能な農薬は31種類
2005年現在、有機農産物と表記するために必要な要件は「有機農産物及び有機農産物加工食品の特定JAS規格」によって定められています。
すなわち、有機農産物とは平成11年7月22日に公布された「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律(平成11年法律第108号)いわゆる改訂JAS法に基づく日本農林規格です。
その規格の第4条(生産の方法についての基準)には「ほ場等における有害動植物の防除」の項目に以下のように規定されています。ここでいう「別表2に掲げる農薬」が有機農産物にも使える農薬です。
耕種的防除(作目及び品種の選定、作付け時期の調整、その他農作物の栽培管理の一環として通常行われる作業を有害動植物の発生を抑制することを意図して計画的に実施することにより、有害動植物の防除を行うことをいう。)、物理的防除(光、熱、音等を利用する方法又は人力若しくは機械的な方法により有害動植物の防除を行うことをいう。)及び生物的防除(病害の原因となる微生物の増殖を抑制する微生物、有害動植物を補食する動物又は有害動植物が忌避する植物若しくは有害動植物の発生を抑制する効果を有する植物の導入又はその生育に適するような環境の整備により有害動植物の防除を行うことをいう。)又はこれらを適切に組み合わせた方法のみにより実施されていること(農産物に急迫した又は重大な危険がある場合であって、耕種的防除、物理的防除又は生物的防除を適切に組み合わせる方法のみによってはほ場等における有害動植物を効果的に防除することができない場合にあっては、別表2に掲げる農薬のみが使用されていること。)
注意すべきことは、耕種的防除、物理的防除又は生物的防除以外に採ることのできる防除方法が「別表2に掲げる農薬のみ」と規定されている点です。つまり「タバコの抽出液」や「家庭用殺虫剤」などの農薬以外の薬剤は使えず、「木酢液」や「漢方農薬」と農薬もどきも使えないことになります。
別表2に掲げる農薬とは以下の通り
- 除虫菊乳剤:除虫菊から抽出したものであること
- デリス乳剤
- デリス粉
- デリス粉剤
- なたね油乳剤
- マシン油エアゾル
- マシン油乳剤
- 硫黄くん煙剤
- 硫黄粉剤
- 硫黄・銅水和剤
- 水和硫黄剤
- シイタケ菌糸体抽出物液剤
- 炭酸水素ナトリウム水溶剤
- 炭酸水素ナトリウム・銅水和剤
- 銅水和剤
- 銅粉剤
- 硫酸銅:ボルドー剤調製用に使用する場合に限ること
- 生石灰:ボルドー剤調製用に使用する場合に限ること
- 液化窒素剤
- 天敵等生物農薬及び生物農薬製剤
- 性フェロモン剤
- 誘引剤
- 忌避剤
- クロレラ抽出物液剤
- 混合生薬抽出物液剤
- カゼイン:石灰展着剤として使用する場合に限ること
- パラフィン:展着剤として使用する場合に限ること
- ワックス水和剤
- 二酸化炭素剤:保管施設で使用する場合に限る
- ケイソウ土剤:保管施設で使用する場合に限る